私たちを取り巻く環境問題は、近年ますます複雑化、多様化しており化学物質に関してはダイオキシン類や生物の内分泌機能に影響を及ぼすとされる内分泌かく 乱化学物質(環境ホルモン)による新たな汚染物質が発生して、それに伴う人体や動植物への悪影響が憂慮されておりこれらの汚染究明とその対策は大きな社会 問題となっています。このような問題を解決するためには、まず現状を把握し、それに基づいた対策を進める必要があります。
このダイオキシン類は、廃棄物の焼却過程や農薬製造時の副生成物として、また、金属精錬、製紙、化学工業など様々な発生源で非意図的に生成され、一般環 境中では極めて安定なため、環境に長時間残留することが知られています。さらに、その毒性は人類が生み出した化学物質の中でも最強といわれるため、人の健 康や生態系に有害な影響をもたらすことが知られています。
このため、ダイオキシン類による汚染状況の把握やダイオキシン類削減対策の実行効果の確認を推進していくためには、有効な施策を確立し、長期的かつ継続的なモニタリングの実施が急務となっており、併せてダイオキシン類の高精度かつ迅速な分析体制の確立が重要であります。
しかしながら、全国的に対策の基礎となるダイオキシン類の環境実態、生成、挙動や発生防止対策などについての化学的知見は必ずしも十分とは言えません。
このような状況下、この度、当事業団ではこれらのダイオキシン類の極微量分析への対応を図るため、ダイオキシン類の分析に向けてケミカルハザード施設・最新鋭の分析機器等を整備し、平成14年1月より本格的に受注、分析測定を開始することとしました。
当事業団では、今回整備した分析測定機器等を活用して、以下に示すダイオキシン類に関する測定・分析及び調査研究を実施します。
ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)の総称です。ダイオキシン類対策特別措置 法においては、それらにダイオキシン類と同様の毒性を示すコプラナーPCB(co-PCBs)を含めて、ダイオキシン類と定義しています。
これらダイオキシン類は、化学物質の合成時や燃焼過程で生成されるもので、高い毒性を持っているため、癌や奇形など生体に重大な影響を与える可能性があります。
ダイオキシン類分析は、試料の性状によってその採取方法が異なるため、試料から有機溶媒やカラムなどを使って目的物質を抽出・精製し、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計で分析を行います。
| [高分解能二重束型ガスクロマトグラフ質量分析装置] ダイオキシン類の同定と定量は、キャピラリーカラムを用いる高分解能ガスクロマトグラフと二重束形の高分解質量分析計を用いる高分解能ガスクロマトグラフ 質量分析計によって行います。今回整備した高分解能ガスクロマトグラフ質量分析装置は、分解能10,000以上を有し、ダイオキシン類等の極微量物質の分 析に対応したものです。(日本電子株式会社製 JMS-700D) |
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| [前処理室] 前処理室では、水質、排ガス、大気、土壌などあらゆる試料から、ダイオキシン類を有機溶媒やカラムなどを使って抽出・精製を行います。 |
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| [空調施設] ダイオキシン類等の有害物質を取り扱うため、全ての分析作業は吸排気を活性炭フィルター、HEPAフィルターで処理したクリーンな専用分析室で行い、高い分析精度を確保しています。 |
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