ビル管理法とは、正式には「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」という名称で、多数の人が使用又は利用する建築物を「特定建築物」として、その 維持管理について定められています。ここでは、特定建築物の所有者等に「空気環境の調整」、「給水及び排水の管理」、「清掃及びねずみ等の防除」を義務付 けています。また、ビル管理法で定められる「特定建築物」は以下のとおりです。
| 床面積 | 3,000平方メートル以上 |
|---|---|
| 用 途 | 1.興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場 2.店舗・事務所 3.学校教育法第1条に規定する学校以外の学校 (学校教育法第一条に規定する学校は8,000平方メートル以上) 4.旅館 |
ビル管理法で定められる特定建築物の「給水及び排水の管理」においては、水道法の規定による水質基準に適合する飲料水を供給することが義務づけられています。水質基準項目および検査項目は以下のとおりです。
水質検査項目及び検査頻度(平成26年4月1日施行)
| 項番号注) | 検査項目 | 検査頻度 | 備考 | |
|---|---|---|---|---|
| 11項目 省略不可 |
1 | 一般細菌 | 6ヶ月に1回 ※1 省略可能項目は、適合した場合は、次回省略可能 |
A、B |
| 2 | 大腸菌 | |||
| 9 | 亜硝酸態窒素 | |||
| 11 | 亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素 | |||
| 38 | 塩化物イオン | |||
| 46 | 有機物(全有機炭素(TOC)の量) | |||
| 47 | pH値 | |||
| 48 | 味 | |||
| 49 | 臭気 | |||
| 50 | 色度 | |||
| 51 | 濁度 | |||
| 5項目 省略可能※1 |
6 | 鉛及びその化合物 | ||
| 31 | 亜鉛及びその化合物 | |||
| 33 | 鉄及びその化合物 | |||
| 34 | 銅及びその化合物 | |||
| 39 | 蒸発残留物 | |||
| 12項目 (消毒副生成物) |
10 | シアン化物イオン及び塩化シアン | 1年に1回 (6月1日から9月30日) |
|
| 21 | 塩素酸 | |||
| 22 | クロロ酢酸 | |||
| 23 | クロロホルム | |||
| 24 | ジクロロ酢酸 | |||
| 25 | ジブロモクロロメタン | |||
| 26 | 臭素酸 | |||
| 27 | 総トリハロメタン | |||
| 28 | トリクロロ酢酸 | |||
| 29 | ブロモジクロロメタン | |||
| 30 | ブロモホルム | |||
| 31 | ホルムアルデヒド | |||
| 7項目 (有機化学物質) |
14 | 四塩化炭素 | 3年に1回 | B |
| 16 | シス-1,2-ジクロロエチレン | |||
| 17 | ジクロロメタン | |||
| 18 | テトラクロロエチレン | |||
| 19 | トリクロロエチレン | |||
| 20 | ベンゼン | |||
| 45 | フェノール類 | |||
| - | - | 全項目(50項目) | 給水の開始前 |
A:水道水又は専用水道から供給を受ける水のみを水源としている場合
B:地下水その他のA以外の水を水源の全部又は一部としている場合
注)項番号は水道法による基準項目の番号を示します。